重度訪問介護
重度訪問介護とは,重度の障害があり,常時介護が必要な利用者の自宅等にヘルパーが訪問し,居宅介護・ホームヘルプの支援内容に加えてコミュニケーションの支援や外出時の支援,見守り等の支援を総合的に行う障害福祉のサービス.
通常 3 時間以上の長時間,訪問します.
また利用者の状況によって入院中の支援も可能です.
対象者
障害区分 4 以上で,
- 二肢以上に麻痺等があり,障害支援区分の認定項目の移乗・排尿・排便が支援が不要以外に認定されて居る
- 障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等の合計が 10 点以上
のいずれかの方が対象となります.
また入院中に重度訪問介護を利用する場合,日常的に重度訪問介護を利用して居る最重度の障害者が対象となります.
サービス種類
身体介護
ヘルパーが利用者の身体に触れてケアを行います.
- 起床介助・モーニングケア
- 就寝介助・イヴニングケア
- 食事介助
- 服薬・水分補給の介助
- 入浴介助
- 清拭
- 更衣介助
- 身体整容
- 体位交換
- 排泄介助
等を行います.
家事援助
利用者が日常生活を送るための必要な援助をヘルパーが行います.
- 掃除・ゴミ出し
- 洗濯
- 衣服の整理・被服の補修
- 調理
- ベッドメーキング
- 生活必需品の買い物
等を行います.
移動介護
外出時の介護等を行います.
入院時
利用者が入院した場合に医師・看護師等のスタッフとのコミュニケーション支援やナースコールを押す,見守り,療養に該当しない支援等を行います.
その他
生活等に関する相談や助言,コミュニケーション支援,見守り等を行います.
また喀痰吸引等研修を修了したヘルパーが喀痰吸引や経管注入等も行います.
重度訪問介護では上記の介護・支援・ケアを様々な状況・場所で総合的に行います.
自動車運転
2021 年 4 月からの制度改正にて重度訪問介護でヘルパーに自動車を運転してもらう事が可能に.
そして報酬改定もあり,通常の外出の移動加算に加え運転中も停車して必要な支援・ケア実施のため移動介護緊急時支援加算が新設されました.
重度訪問介護でヘルパーに自動車を運転してもらう場合,自動車は利用者の所有して居る自家用車または利用者自身が借りた自動車に限られます.
訪問介護事業所の自動車やヘルパーの自動車では適用されません.
また実際に重度訪問介護でヘルパーに自動車を運転してもらう場合は,まず市区町村と訪問介護事業所に問い合わせをし,許可取りや手続きをする必要があります.
そして重度訪問介護でヘルパーに自動車を運転してもらう場合,自動車保険の運転者限定をなしにしたり,安全に自動車を運転してもらえる様に経路の確認をしたり,余裕を持ったスケジューリングをしたり…利用者自身が準備をする必要があります.
熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援
熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援は,同行を行う際に熟練ヘルパーと新人ヘルパーの 2 名での訪問を可能とする制度です.
同行
重度訪問介護の利用者に新人のヘルパーが支援・ケアに入る場合,利用者の支援・ケアやコミュニケーション方法等に熟練した熟練ヘルパーが新人ヘルパーと同行し,支援・ケアやコミュニケーション方法等について伝え,指導する必要があります.
また利用者 1 人 1 人に特別な支援・ケア方法やコミュニケーション方法等があり,同行が長期間必要な事も.
この様な同行のために重度訪問介護では熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援と言う制度が 2018 年 4 月に設立されました.
導入
重度訪問介護の利用は障害福祉サービスを申請・導入する必要があります.
障害福祉サービスについて知りたい方はこちら.
熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援とは
熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援では,新人ヘルパーが訪問介護事業所に所属してから 6 ヶ月間,最高 120 時間まで同行が可能です.
訪問介護事業所へは 2 名共通常の 85%,2 名合わせて 170% 分の単位が支給されます.
また熟練ヘルパーと新人ヘルパーが違う訪問介護事業所に所属して居ても利用可能で,その際は熟練ヘルパー分の報酬の減算分を新人ヘルパーが所属する訪問介護事業所が補填する等の契約を交わす事もできます.
また熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援を利用する際,新人ヘルパーは年間 3 名までとされて居ます.
ですが,市区町村に事情等を説明し,必要と認められた場合は 3 名以上となる場合もあります.
そして熟練ヘルパーになるには,特別な資格等は必要ありません.
ですが,利用者の障害特性を理解し,適切な介護を提供でき,利用者へのサービスについて利用者から十分な評価があるヘルパーさんである必要があります.←利用者の事をちゃんと理解してくださるヘルパーさんって事ですね.
導入・利用
重度訪問介護の熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援を利用するには,担当の相談支援専門員や市区町村に相談し,計画書を変更.
その後,支給決定される必要があります.
また支給決定されると障害福祉サービス受給者証に “同行支援可 (人数,時間数)" が記載されます.
また重度訪問介護の熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援は,利用者の状況や新人ヘルパーの技術・スキルを総合して支給決定される制度のため,基本的には重度訪問介護の熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援が必要な状況となった時点で支給変更決定等が行われます.
ですが,急遽重度訪問介護の熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援を導入・利用したい場合は,市区町村の障害福祉課へ重度訪問介護の熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援の了承を得ておく事も可能です.
Case Mayo
Mayo は重度訪問介護を月 594 時間と重度訪問介護の 2 人介護を月 +40 時間の合計・月 634 時間を支給していただき,週 130 時間以上利用して居ます.
また熟練ヘルパーと新人ヘルパーの同行支援を 120 時間支給していただき,専属ヘルパーさんの指導時に利用して居ます.
重度訪問介護では週 6 回,1 回 6 時間 – 18.5 時間,ヘルパーさんに訪問していただき,身体介護や家事援助の介護・支援・ケアをしていただいたり,相談に乗っていただいたりして居ます.
またその中で週に 2 回夜勤もしていただいて居ます.
そして喀痰吸引等研修を修了したヘルパーさんには実地研修を受けていただき,喀痰吸引や経管注入もしていただいて居ます.
ヘルパーさんと一緒に食事したり,TV を観たり,ゲームしたり,お喋りしたり…できて,ヘルパーさんに訪問していただけるといつも楽しいです.
そして Mayo は入院中もヘルパーさんに訪問していただいて居ます.
入院中は伝えたい事がうまく伝わらなかったり,ナースコールを自分では押せなかったり,メンタルが不安定になったり…するので,ヘルパーさんに訪問していただけて,安心して治療を受ける事ができます.←滑舌悪くて伝えたい事が全く伝わらなかったり,ナースコール押せなくて 1 人ポッツンで不安になったり…(泣).
本当にありがたいです.
外出時にもヘルパーさんに訪問していただいて居ます.
通院や外食,ショッピング,美容院,カラオケ,ライブ等.
ヘルパーさんと外出するととても楽しいです.
最近では両親に準備で人工呼吸器の回路を外出用に交換してもらい,ヘルパーさんに車の運転をしてもらって外出して居ます.
Mayo が利用して居る重度訪問介護はこの様な感じで,Mayo の生活になくてはならないサービスです.
今後も重度訪問介護を利用して Mayo らしく生活して行きたいと思って居ます.
Summary
今日は重度訪問介護について紹介しました.
Mayo 自身,普段から利用して居るサービスですが,今回改めて調べたら知らない事もあって,勉強になりました.
ずっと紹介したかったので,今回紹介できて良かったです.
そして今回,Mayo が利用して居る重度訪問介護についても書かせていただきました.
興味がある所だけでも良いので,読んでもらえると嬉しいです.
Information & Life では,サービス・システムやケア・治療・グッズについて紹介して居ます.
参考にしていただければ嬉しいです.
次回もぜひ読んでください.
Mayo
参考資料
Mayo と申します.
1995/12/19 生まれの A 型です.
脊髄性筋萎縮症 (SMA) の I 型 (ウェルドニッヒ・ホフマン病) と言う疾患を持って居ます.
山田涼介くんがだいすきです.
Mayo EFIFS で好きな事を好きな時に UP して居ます.
Mayo profile はこちら→